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2005年12月04日(Sun)▲ページの先頭へ
グローバル・メディア産業の未来図―米マスコミの現場から

光文社新書:小林 雅一

インターネットがもたらすアメリカのメディア産業の変化と集合離散の状況を、将来にレポートしている。
ネットを通じ断片的に耳にしたニュースだが、その文脈をこの本で辿ると、シュツルムウントドランクの生々しさが、驚きとともに迫ってくる。
おすすめの一冊。



ブログマーケティング

四家正紀:翔泳社

企業ブログをいち早く立ち上げたカレンの四家さんがその経験を盛り込んで書き上げたブログマーケティングのノウハウ本。
シックスアパートの関さんを交えた座談会のコーディネーションをしなければならないので、大急ぎで読破した。
企業ブログは“商談”だ、目的意識をもっての雑談が効果的だとの説に激しく同感。



2004年09月22日(Wed)▲ページの先頭へ
月刊!木村剛

木村剛:KFi


このブログでは、書籍を取り上げ、雑誌には触れないというのが基本ポリシーだが、これだけは取り上げておきたい。

正直言ってこれまで木村剛にいい印象は持っていなかった。
理由は簡単。スーパーハードジェルで固めたヘアスタイルと、酷薄な印象を与える眼鏡フレームとその奥の怜悧だが冷たく見える目元である。

心理学者のメラビアンが発見した法則では、初対面の人と会ったときに受ける印象を形づくるのは、「話の内容」が7%、「話し方」が38%、「ボディーランゲージ」が55%の割合という。
恥ずかしながら、ブラウン管を通じての彼の視覚的印象に引きずられ、主張そのものを充分理解していなかったのである。

そんな印象を変えたのは、彼のブログ「週刊!木村剛」。
分かりやすい文章で、適度なウィットに彩られ、他人への配慮にも遺漏のない、すばらしいエントリーを書いている。
真っ当な怒りのボルテージをキープしつつ、感情に流れることも無く、説得力に溢れた文章だ。
おそらく日本でもっともパワフルなブログのひとつだろう。

その「週刊!木村剛」をベースにさまざまな活動が繰り広げられている。年金データの情報公開請求とその分析のプロジェクトチーム編成もそうだし、ブログスターの発掘の努力もそうだ、ブログから始まる参加型ジャーナリズムへの挑戦も期待できる。

そして、メディアミックス第一弾として、出版に乗り出したのがこの雑誌だ。
創刊号「こんな年金改革で満足できるか?」 Vol2「インターネットはマスコミに勝てるか?」に目を通した。
「週刊!木村剛」で張った論陣も、あらためて紙に印刷された雑誌としてまとめて読むと、論説としての重量感に満ち、より内容への理解が進む。

定期購読したい雑誌が見つかった。


「週刊!木村剛」


2004年08月09日(Mon)▲ページの先頭へ
全部1円!? 激安お買い物生活

内藤みか:河出書房新社

白状すると、ぼくは95年以来の、インターネットの無料サービスフリークです。
特に初期のインターネットでは、新しいテクノロジーを使った新しいサービスは、まず無料サービスとして導入され、やがて有料サービスになったり、サービス停止になったりしたものです。
例えば、メーリングリストなら、リストネットにはじまり、富士通系のワイルドバードを使い、いまはeグループスを愛用しています。
無料サービスを追いかけることが、インターネットの最前線の動向をつかむことにつながる幸せな時代でした。

内藤みかさんは、ふたりのお子さんを抱えるシングルマザー。
クリックとモルタルの両方で、激安ショッピングを追求しています。
高いものは5千万近い世田谷の一戸建てから、安いものはベビー服20着で1円まで。
この本には、ご自身の激安生活の軌跡とそのテクニックが書かれていますが、それを通して、時代の趨勢や世相の断面が浮かび上がってくるという寸法です。
賢い消費者と肩肘を張らず、節約の惨めさとは距離を置き、行間からは明るさと楽しさが伝わってきます。
この本の実用的価値についても触れておくべきでしょう。
彼女自身が行き付けにしているショップや、おススメサイトの情報がいっぱい。
1円オークションの楽しみ方についても丁寧に説明してくれています。

話しをぼく自身のことに戻すと、無料サービスとして使い始め、有料化を契機にパーマネントアドレスにしようと決めたシンガポールのEメールサービスが、来年の1月一杯でサービスを終了するとのこと。
困りました。知人友人にはすべてこのアドレスで連絡しています。
インターネットサービスへの登録もすべてこのアドレスです。
今迷っているのは、どのパーマネントアドレスに乗り換えようかということ。
会社のアドレスは、ぼくの美学に反します。
プロバイダはいつまで契約しているかわかりません。
それにあんまり長いアドレスはいやです。
やっぱり、独自ドメインをとるのかなあ?
そうそう、ホームページに使っている、アルメニアのドメインサービスは、終了しないだろうなぁ。


作家・内藤みかのお安いのがお好き☆



2004年07月27日(Tue)▲ページの先頭へ
儲かるネット副業 ―成功への5ステップ

山田雅彦:ソシム

なあんだ、ぼくにだって出来るじゃないか!

サーブの山田さんの新著は、サラリーマンや主婦が、アルバイト感覚ではじめられるネット副業の手引き。
彼の持ち味である、事例を踏まえた、平易で論理的な語り口から、楽しく読めるマニュアルに仕上がっている。
また、初心者のネットビジネスの落とし穴への漠然とした不安にも配慮し、ビジネスの仕組みやリスクの有無へも言及してくれている。

アフィリエート(ホームページ、メルマガ、ブログ)、オークションなどのノウハウが、具体的サービスの内容やURLとともに詳細に語られている。
サラリーマンのかたわら、個人ホームページやウェブログを持っているぼくにとっては、アクションをひとつ取るだけで、収入につながることがよくわかった。

こんな本が欲しかった。早速、はじめてみよう。


山@SURVの日記
SURV


2004年07月07日(Wed)▲ページの先頭へ
僕が15で社長になった理由

家本賢太郎:ソフトバンクパブリッシング

01年の暮れに出版された本。
今になって目を通したのは、久しぶりに著者と会う機会が出来たからだが、読んでよかった。
中卒直後の15歳でクララオンラインを作った家本君とはその数ヶ月前に知り合い、8年間、遠くから注目していた。事業も順調に発展しているものと勝手に思い込んでいたが、倒産の危機にも直面し、無理な背伸びゆえの苦難の道筋があったようだ。
そのあたりの経緯が率直につづられている。
家本君を僕が評価しているのは、10代の若さで(今、現在は20代に突入した)自分のことを客観的に見つめることが出来、しかもそれを衒わずに書き記す勇気を持っていること。
彼のような青年を育てた家本家はすばらしい家族だと思う。

家本君は現在慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスの4年生。事業も順調なようだ。


クララオンライン
iemotoブログ


2004年06月16日(Wed)▲ページの先頭へ
バカ売れオンラインショップの作り方

山田 雅彦:翔泳社


サーブの山さんの第2作。オンラインショップ開設と運営についての教科書的な本。
全編に通じる科学的アプローチと広範な目配りから、オンラインショップ運営に当たっての必読書と思う。
個人経営のオンラインショップから、大企業の担当者まで、誰をもうなづかせる説得力がある。



2004年06月10日(Thu)▲ページの先頭へ
愛されるしくみ

藤沢あゆみ:大和出版


ネットの恋愛カリスマ、藤沢あゆみさんの処女出版。
ぼくのようなおじさんが目をぱちくりするような語彙が次々に繰り出される、独特の文章。
「○○よん。」で止める語尾が、カジュアルさと親しさを演出している。
女性から見た男性との交際テクニックを説く内容だけに、普段だったら絶対に手に取らないジャンルだが、たまたま藤沢さんとご一緒する機会があったので、一読した。
すると、藤沢さんの恋愛哲学を超えた人生哲学が浮かび上がってくる。
彼女の持つ、相手を思いやるもてなしの心と、ネガティブ発想を排除し、つねにポジティブに人生に向き合おうという「覚悟」とでもいうべき想いが、平成軽薄体とでも呼ぶべき文体の背後に浮かび上がってくるのだ。
どうもこれは恋愛テクニック指南書ではない。閉塞状況を突破する生きざまの導き手と読み取るべきではないだろうか。
脱帽。



2004年06月09日(Wed)▲ページの先頭へ
愛のバタバタ貧乏脱出大作戦!!

九鬼政人:総合法令出版

04年5月24・25日。
ネット空間を【バタ・貧】というキーワードが飛び交った。
それにつれ、アマゾンのトップページにある、売上ランキングで順位を上げていったのが、この本「愛のバタバタ貧乏脱出大作戦!!」

著者の九鬼政人氏は和歌山に住むベンチャー経営者。
30代半ばにして大腸癌の宣告を受け、大腸の全摘出を覚悟した九鬼氏は、それまでの経営スタイルを一新する。
新しい経営の根幹にある思想は、金銭価値と時間価値をマトリックスで考えようというものだ。
中小企業経営者は、いつもバタバタと走り回っている。ところが、走り回る割りには収益は少ない。この発想こそ変えなければならない。
スタッフに走り回ってもらい自分は時間にゆとりをつくり、全体を見渡す視野を持つ。クリエーティブな発想で戦略的な手をうつ方法に変えなければならないというのが全編を通じての基調トーンとなっている。

九鬼氏の処女出版の全面的な応援を買って出たのが、京都府は綾部市在住の恋愛コンサルライターの藤沢あゆみさん
ご自身のウェブログを起点に八面六臂の応援キャンペーンを繰り広げた。
目指すはアマゾンのランキングトップ。
奮闘むなしく、ハリーポッターは凌駕出来なかったものの、みごと堂々の2位にランキングされ、その後も好調な売れ行きが続いているらしい。





2004年06月08日(Tue)▲ページの先頭へ
メール道

久米信行:NTT出版


ネットの超有名人の久米信行さんの著書だけあって、発売当初より売れ行き好調。
アマゾンの売れ行きランキングでも常に好位置をキープし、発売3週間にして早くも重版が決まったようだ。
メールというのは思ったより不便なメディアで、ともすれば誤解を招きやすい。同じ「バカ」ということばでも、文脈により意味合いはさまざまであるし、関東と関西ではニュアンスが違う。ちょっとした配慮で良いリレーションも結べるし、関係も壊れることがある。
どうすれば気持ちが通じるのか、なんでもないことなのにとても重要なことが、ディテールまで行き届いた配慮とともに語られているのがこの本だ。

久米さんとあったのは恐らく95年。
富士通総研からニフティに移った関順二さんの紹介だったとおもう。
95年から97年までパシフィコ横浜で開催した「おふらいんまつリ〜ネットワーカーズ・ジャパン」に出展してもらったのが最初である。
久米繊維工業社長である久米さんは、インターネットを介して画像ファイルをやり取りし、そのままTシャツにプリントするシステムで参加してくれた。

後に日経BPの経営よもやま話に発展することになる「久米メール」を送っていただき始めたのはその直後だったと記憶している。
深水英一郎氏がまぐまぐをはじめたのが97年だが、まだメルマガが一般的ではなかった頃で、
久米メールは、メールソフトからBCCで発信されていた。
この頃から久米メールの特徴は、多彩な情報と、多様な人脈、そして、すみずみまで配慮の行き届いた円満な人格をうかがわせる文体にあった。
ちょうど久米さんが驚く程方々のセミナーに顔を出されていた時代で、本業は大丈夫かと心配するほどだった。このナレッジと人脈の蓄積が肥沃な土壌となり、その後のご活躍の基礎を作られたのだろう。

こうした年季の入ったメール修行から生まれた本書だ。
久米さんの指摘の一つ一つが含蓄に富み、はっと反省させられることが多いことも、いわば当然だろう。


久米信行氏 縁尋奇妙日記

2004年06月07日(Mon)▲ページの先頭へ
ネットは新聞を殺すのか

青木日照 + 湯川鶴章 :NTT出版



日本広報学会発行の「広報研究 第8号」2004年3月発行に寄稿した書評を再録する。

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インターネットの発展は、ビジネスのさまざまな局面に広範な影響を与え、一部の業界には、地殻変動といえるほどの変化をもたらしている。
例えば証券業界においては、個人投資家の8割近くがオンライン経由で取引するようになり、いち早くネット取引に特化した松井証券が急成長を遂げた。航空業界では、オンラインでのチケットレス販売が普及し、旅行代理店は、危機に直面している。
インターネットは同様の地殻変動を新聞業界にもたらすのだろうか。
著者は、テレビが登場したことでラジオの性格が変わったように新聞の役割は変化する。そして、インターネットの要素を新聞がいかに取り込み、止揚させるかが、新聞社にとっての生き残りの鍵になるだろうと考えている。
その視点から、現在進みつつある変革の萌芽を紹介しつつ、将来展望をレポートしたのが本書である。
著者の青木日照氏は永くNECにおいて国内、海外の広報の経験を積み、ITとメディアの状況に通じたエキスパートであり、もうひとりの著者湯川鶴章氏は、アメリカ留学の後、現地でジャーナリズムに身を投じ、ハイテク産業については黎明期からシリコンバレーを見つづけてきた時事通信社編集委員である。

本書は3部から構成されている。第一部では、個人が発信する情報サイトが、ネット最前線で成長を続ける事例を、多くのインタビューをおりまぜ描き出している。
個人が日記風に論評やコラムを書き綴る「ウェブログ」、2ちゃんねるに代表される「BBS=掲示板」、Eメールで配信される「メルマガ」がその中心だ。
第二部では一転して、日米の新聞社の努力と苦闘にスポットが当てられる。テレビをはじめとした異メディアとの融合や連携。ターゲットをニッチに絞り込んだウェブサイトの運営などさまざまなチャレンジが、オンラインメディアは収入に結びつきにくいという制約を乗り越え、行われている。
そして、第三部では、読むための電子機器の開発、より効果を高める広告システム、検索技術を基盤にコンテンツを自動的に生成する最新技術など、テクノロジーの変化の方向を描き出すことで、インターネット機能を取り込んだ、新聞の明日を予見してみせる。
全体として、インターネットおよびそこで情報発信する個人に背を向け、現状に甘んずる限り新聞に未来はないという警鐘となっている。
広報担当の立場からは、マスコミだけでなく、人気のあるウェブログなど個人ホームページを対象としたパブリシティ活動が必要であるとの読み替えも可能だろう。

私事の記述をお許し願えれば、朝刊をじっくり読む習慣が私からは失われたようだ。日経・朝日の重要ニュースは毎朝インターネットからPDA(携帯電子手帳)に取り込み、朝刊は見出しを眺めるにとどめる。会社ではヤフーのニュースサイトで最新情報をチェックし、日経テレコンのデータベースは、証券会社の無料サービスで、頻繁に活用している。いやはや、新聞ニュースへのアクセスは、ほとんどがネット経由だ。
アクセスしているのは新聞情報だけではない。個人も貴重な情報源になっている。長野県在住の匿名女性のウェブログ「K嬢の長野県政ウォッチング日記」。元共同通信記者の田中宇氏が国際政治情勢を解説するメールマガジン。元日経記者の森摂氏を中心にフリーのジャーナリストがレポートをアップしているユナイテッドフューチャープレス。そして、2ちゃんねるのニュース関連ボードなどの個人の発信情報が現時点でのお好みだ。
大メディアに属さない、フリージャーナリストや個人の発言は、虚実を判定するリテラシーさえ読者が備えれば、新聞よりはるかに豊富な情報とリアリティ、ユニークな視点を提供してくれるのだ。新聞が努力すべきは、個人発の情報を取り込むことだろう。
事実、2003年のイラク戦争開戦時、爆撃におびえる市民の息遣いとともに、バグダッドの状況をもっとも的確に伝え、新聞の情報ソースになっていたのは、「サラーム・パックス」を名乗る28歳のイラク人男性のウェブログ「Where is Read?」だったのだ。

ところで、本書の著者の一人湯川鶴章氏は、体験しなければ説得力がないとして、昨年末、実際にウェブログをスタートさせ、個人としての情報発信に乗り出した。トラックバックと呼ばれる引用技術を介し、テーマに興味があり、記事に賛同した人とのネットワークが、どんどん広がっているようだ。
この経験を踏まえ、やがて本書の続編として、体験的ネットワークジャーナリズム論が著されるのだろう。期待したい。

湯川鶴章氏 ネットは新聞を殺すのかblog