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2004年12月29日(Wed)
< 風のアジテーション | 文学/一覧 | 連鎖破綻―ダブルギアリン... > 自分探偵社
ハゲタカ(上・下)

真山仁:ダイヤモンド社

福田光洋氏から送っていただいたので、早速通読した。

「ハゲタカ」と呼ばれる投資ファンドは、不良債権を2束3文で買い取り、回収や転売で利益をあげ、時に企業再生をリードする。
この小説は、外資系投資ファンドのクールな日本人マネージャーを軸に、不良債権をバルクで売り払う役回りを与えられた都市銀行の良心派担当者、家業であるホテル経営を負債ごと受け継ぐ若き女性後継者を配し、不良債権処理にまつわる熾烈な駆け引きを描いている。

城山三郎が直木賞受賞作「総会屋錦城」により経済小説のジャンルを切り拓いたのが1958年。
「銀行よさようなら、証券よこんにちわ」と喧伝された空前の証券ブーム到来前夜にあっては、企業社会の矛盾を描くのに、総会屋は時代の先端を感じさせる格好の素材だったのだろう。
作者の真山仁は、城山の総会屋に代わる今日的な主人公として「ハゲタカファンド」を登場させたのだ。
新生銀行を買い取ったリップルウッド、暴君ハバネロで東ハトを甦らせたユニゾンキャピタル、そして三菱自動車再生にはフェニックスキャピタルが取り組んでいる。
このように投資ファンドの動きは急だが、その実情はほとんど紹介されることがない。
読売新聞の記者であった著者は、当時の取材経験から積み重ねた該博な知識を投入し、そのビジネスの実情を描いてみせる。
そのリアリティこそがこの小説の真骨頂といえるだろう。

新生銀行の八城政基社長と東ハトの木曽健一社長には、就任直後にそれぞれのビジネスモデルについてヒアリングする機会に恵まれた。
70代の八城社長と30台半ばの木曽社長。親子以上に年齢の開きがある2人だが、不思議なほど共通点がある。
1)自ら現場に出ることを厭わない。
2)常識にとらわれず柔軟な発想ができる。
3)行動に移すことをためらわない。
4)何よりスピードを重んじる。

新生銀行の瑕疵担保条項に代表されるように、投資ファンドが有利な条件で、しかも捨て値同然で債権を手に入れたことは事実だが、企業再生の成功のためには日本的あいまいさを捨てた経営が必要なのだ。
日本の経営者も少しはハゲタカを見習うべきかもしれない。
単なるピカレスクロマンに終わらず、そんな感想を抱かせるだけの実質をこの小説は内包している。

「本書は、フィクションである。登場する企業、団体、人物は全て架空である。」
本書の冒頭にはこんな但し書きが添えられている。
確かにそうだろう。しかし、この小説で取り上げられるさまざまなエピソードは、容易にそのモデルを推測することができる。そんな点もこの小説のページを開く楽しみといえよう。

城山に続く、梶山季之、清水一行、高杉良、江波戸哲夫、幸田真音などの経済小説の系譜を受け継いだ、新しい才能の登場を喜びたい。




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